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2021年7月 4日 (日)

新型コロナワクチンの接種を続ける私が皆さんに望むこと


神戸市でも個別接種(開業医がワクチンをかかりつけの患者や関係者に接種する)が7月、今月中で一旦終わらざるを得ない状況となってきました。
僕は、自分の受け持っている患者とその家族、施設なら関係者を、接種券や住所全く無視して、「臨床的に必要な方」に5月から接種してきました。事務手続きや、自治体の指示に従うやり方では、現場の人達を守れないからです。
ここまで焦る気持ちになったのは、何度もここに書いたとおり、第4波を自分で体感し、大凡通常のウイルス感染症とは異なる恐ろしい病気だからと痛感したからです。次の第5波がくるまでに自分ができることを短期間で済まそうと思ったからです。そしてこの7月中に済ますことができます。
5月に新型コロナウイルスに感染し、回復した患者にも、自分が接種できる今月の間に接種をしようと呼びかけて、一人一人の後遺症や今の生活、当時の体験を聞きながら向き合っています。それぞれ、まだ日常生活を取り戻せずに、回復途上です。こんなに回復に長くかかる感染症だったとは驚きです。
ワクチンは、その人が病気にならない、なっても無事に治るための働きだけではありません。多くの専門家が書いているように、その集団、私にとっては家族や、施設、職場の感染がなくなって欲しいと願って休日返上で接種を続けてきました。
昨日土曜日も6箇所を回りました。そしてワクチンは1本も捨てずに、誰かを探し、時にはバイアルに余ったワクチンも集めて、わが子にも打ちました。子ども達とも一人一人とワクチンはどうして必要なのか、自分にとって、そして周りにとって、家族にとってどういう意味があるのかを話し合いました。
さて、このように新型コロナウイルスの診療や、ワクチン接種を続けている私にとっては、このワクチンを受けたい人にまず短期間に受けて終わらせて欲しい、そして一番願うことは「ワクチンを受けて良かった」「大丈夫だった」と自分の周りに伝えて欲しいのです。ワクチンは2回接種しますので、1回目に不安だった方々も、2回目にお会いすると僕の事を覚えているし、また不安はなくなってくるので「どうでしたか?」と聞くと「腕痛かったけどまあ、大したことなかったです」とか、「39℃の熱はありましたけど、分かっていましたし次の日ゆっくりしていました」と伝えてくれます。
僕は、全ての方に無料でカロナール錠を渡し、そして自分に24時間連絡ができる電話番号を渡していつでも連絡して良いと伝えています。こちらか気になった方には何人か電話もしました。みな、きちんとワクチンの副反応を乗り越えています。このワクチンは確かに、医師の励ましとそして、副反応を乗り越えることも必要です。
ワクチンの正しい情報はネットにたくさん書いてありますが、やはり人は自分の価値観に近い「あなた」の情報を一番頼りにしています。副反応を報告したくなる気持ちはとても分かります。でも、「発熱の状態を体温計で伝える」ことや「腕が痛い」ことを書く事で、「あなた」の周囲の人達に恐れを抱かせるだけではなく、「私は大丈夫」と言うことをどうか伝えて下さいと、接種した皆にお願いしています。自分と周りがワクチンを接種することで初めてその意味があるのです。
「私は大丈夫、元気」な姿、どうか僕のためにも伝えて下さい。

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