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2020年11月 3日 (火)

僕の好きだった彼女「曇った窓硝子」

シャワーを浴びた彼女は、火照った体で寝室の窓硝子を曇らせながら、僕をベットに誘った。

恥ずかしそうに手で顔を隠していたが、「この臆病者め」と口調は潔く、その迫力に僕は一瞬迷い躊躇してしまった。

その時だった。安っぽいキッチンタイマーのような音が辺りに鳴り出した。その音に二人は現実に戻り夢から醒めてしまった。そして彼女は、また寝返りをして僕に背を向けた。

僕はあとわずかの距離を縮めることなく、雨の中を一人帰っていった。二人のまとわりつくような汗で、世界が満たされたような、蒸し暑い日だった。

僕に次のチャンスはいつ来るのか分からないが、その時はまた来るだろうと、象の巨体を横目に、静かに予感していた。次来る時は、ユニクロで買ったばかりの、さらさらパンツを履いてこよう。

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