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2020年3月10日 (火)

クラシックコンサートを安全に開催するための、新型コロナウイルス対策について

私が所属する六甲フィルハーモニー管弦楽団は3月8日の公演を中止しました。

医学的にエビデンスに基づく対策だけでは、人の感情を安心させることができないこと、観客の多くは高齢者であること、国内の多くの学校が一斉に休校となったこと、イベントの開催の自粛要請が政府からあったことから、致し方ない決断と考えます。

一方で、クラスター感染の原因となる、「屋内の閉鎖的な空間」で、「人と人とが至近距離」で、「一定時間以上交わること」 ようなライブハウスとは異なり、「静かに鑑賞」し[1]、「空調管理がなされているホール」で行う[2]、クラシックコンサートなら安全に開催できると考え、下記に開催するために準備していた注意書きを記します。

クラシックコンサートを行う上で配慮するウイルス感染対策について

観客の方へ

現在、感染が問題となっている新型コロナウイルス(COVID19)に限らず、インフルエンザウイルスも飛沫感染、接触感染をおこします。新型コロナウイルスは、ライブハウスのような、換気の悪い、大きな声を出す、観客同士の距離が近い場所では、クラスター感染をおこすことが知られています。しかし、クラシックコンサートのように、静かに鑑賞し、またホールの換気設備が整った場所では、対策することで医学的に安全に開催できると考えられます。

ウイルス感染防御の観点から皆様にご協力頂きたいことについて下記に記します。

1. 開場前に列を作り並ばず、開場してからお越し下さい。

2. 健康な自覚のある方は、マスクを装着して頂く必要はありません。咳、くしゃみ、鼻水のある方、花粉症の方、また不安を感じる方はどうぞ、ご自身で準備したマスクをご使用下さい。

3. 受付の係員との接触を避けるため、チケットを回収箱にご自身で入れて下さい。スマチケのようにスマートホンにチケットをお持ちの方はご自身で操作して入場して下さい。

4. プログラムはご自身でお取り下さい。

5. 入場後はトイレで、手洗いを20秒以上お願いします。石けんを使うとより効果的に手に付着したウイルスを除去できます。

6. 開場に入場後は、可能な限り前後左右、1席空けてご着席下さい。

7. 会場内のドア、机、手すり、椅子など可能な限り手を触れないようにご注意下さい。

8. 会場の入退場は、係員がドアを開け閉め致します。それまではお待ちください。

9. 演奏中に、咳やくしゃみが止まらなくなったときには、どうぞ途中で退席してくださって構いません。その際には、ご自身でドアを開け閉めして下さい。

10. 終演後「ブラボー」の掛け声は、今回に限りご遠慮ください。

11. 終演後は楽屋に入る、ロビーで歓談する事は避けて速やかにお帰りください。

12. アンケートも回収箱に入れてください。

運営の方へ

1. 受付、プレゼント受付、クロークを含めて、観客と担当者の手と手の接触をできる限り避けてください。会話は全く問題ありません。

2. 健康を自覚している担当者がマスクをしている必要はありません。ただし、観客の不安を軽減するためにマスクをするのならそれは個々で判断してください。

3. チケット、アンケート、プレゼントに付着したウイルスを、担当者が手を介して、自分自身、また他の観客に伝播することを防止してください。スマチケのような電子チケットも、相手のスマートホンには決して触らず、観客自身に操作してもらうか、そのまま放置すること。

4. 回収したチケット、アンケートはウイルスが不活化する7日間は、箱の中でガムテープで密閉して保管してから確認してください[3,4]。

5. チケットやグッズ販売では現金のやり取りをしない。お釣りのない金額にする、観客を信じて振込にする、バーコード決済にする。準備したお釣りのみ手渡して、他の観客のお金をお釣りにしない。回収した現金は、7日間密閉して保管する[3,4]。

六甲フィルハーモニー管弦楽団(神戸市) 団員 新城 拓也(内科医師)

1) "お話しなければリスクは低いでしょう。クラシックコンサートは別に喋らないですね。ロックコンサートや野球は叫びますよね。野球も騒がなければ、無観客試合でなく、やれる方法はあるのではないかと模索してはどうでしょう。"(Buzzfeed Japan Medical 和田耕治 国際医療福祉大学国際医療協力部長、医学部公衆衛生学教授 2020.2.28)

2)"日本のコンサートホールの換気の基準は厳しいのです。入れ替えが激しすぎて、ピアノのマウリツィオ・ポリーニが「風が吹いてるじゃないか。演奏できない、止めろ」と言ってきたくらい。"(朝日新聞 梶本眞秀・KAJIMOTO社長 2020.3.10)

3) https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/031700668/?P=2&cs=np

4) Kampf G, Todt D, Pfaender S, Steinmann E. Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and their inactivation with biocidal agents. J Hosp Infect. 2020;104(3):246–251. doi:10.1016/j.jhin.2020.01.022

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