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2017年6月19日 (月)

「がんと命の道しるべ」出版のお知らせ

本ブログ、ヨミドクター、青海社「緩和ケア」の原稿を集め、再編集、加筆した本が発刊されます。

日本評論社より、7月30日に発売予定です。一般の方に読んで頂けるよう、内容は専門的にならないように書き換えています。
最近SNSの書き込みも、ブログの更新も今ひとつでした。実はこの本にかかりっきりでした。何度もゲラを読み返し、文章のリズムを整えていました。単著は3冊ですが、相当内容の吟味をしました。待望の縦書きです。
日本評論社の編集者の木谷陽平さんは、こころの科学の連載や、ブログの内容を何度も読み、丁寧なコメントを下さいました。そして、出版したいという強い意欲を持って下さいました。
一般方向けの本です。値段もかなり勉強して頂くよう、出版社と交渉しました。
病気の苦しみをあらゆる方法で緩和する、「緩和ケア」が世に知られるようになってきました。
しかし、実際に医療を受けているがん患者の多くは「緩和ケア」という言葉を好んではいません。病気の苦しみを取り除く手助けをしてもらえるかもしれないと分かりつつも、緩和ケアという言葉は死を連想させます。知りたいけど知りたくない、関わりたいけど関わりたくない、そんな風に思うのも自然なことなのだと思います。
私は緩和ケア専門医として、患者の体験しているがんの苦しみをどうしたら軽減できるか。ずっと考えてきました。特に痛みは苦しく、生きていく力を奪ってしまいます。がんの痛みを薬で抑えていく治療はとても進歩しました。かつて、歌人の正岡子規は、「少し苦痛があるとどうか早く死にたいと思うけれど、その苦痛が少し減じると最早死にたくも何にもない。」と述べています。身体の苦しみが続けば、死にたいと思うのも普通のことです。私も患者から、「薬を注射して死なせてほしい」と本心で請われたことが何度もあります。
その度に、患者をはぐらかさず、逃げ出さず、まず痛みを緩和し、そして次々に起こる苦しみに一緒に向き合ってきました。しかし、身体の痛みがなくなっても、また新たな苦しみが生まれます。家族の将来に自分は何が出来るのだろうか。今、自分の関わっている仕事が続けられるだろうか。そして、なぜこんな病気になったのだろうか。また、患者は色んな種類の苦しみを同時に抱えていることも良く分かりました。
がんを抱えて生きるあなたへ
そして、がんの方を支えているあなたへ
数多くの患者・家族に 寄り添い続けてきた医師がみた真実と希望。
第1章 治療としての終末期鎮静― その現実
第2章 ホスピスとケア
第3章 在宅医療の現場から
第4章 緩和ケア医を生きる

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