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2015年4月 7日 (火)

「緩和ケアの専門クリニックに紹介すると、がん患者の救急外来の受診は、どの位減らせるのか?」

New_mp900400456_shinjoclinic3_20121 毎日、外来と訪問診療(往診)でがん患者に専門的な緩和ケアを提供しております。また週に1回は、急性期病院で勤務しております。患者を紹介する側、紹介を受ける側の両方での仕事を同時にしながら色々なことを考えています。
急性期病院の立場からは、できる限り紹介したがん患者の不測の救急外来への受診を減らし、入院を抑制したいと考えます。そのような論文を探してみました。丁度昨年のBMJでちらっと見た論文をじっくり読んでみました。

地域の専門緩和ケアチームに紹介した患者の動向についてのカナダ、オンタリオのレポートです。

在宅で緩和ケアを提供されることで、病院への救急外来の受診は減らせる結果でした。 対象患者のうち80%はがん患者でした。78%は自宅でエンドオブライフケアを受けていました。専門的緩和ケアを自宅で受けていた患者(n=3109) のうち、970人( 31.2%) は入院、896人 (28.9%) は救急受診をしました。緩和ケアを受けていない患者 (n=3109) のうち、1219人(39.3%)は入院、1070人(34.5%)は救急受診をしました。(亡くなる前2週間) ということで、在宅で緩和ケアを提供しても入院、救急受診を減らせますが、30%は病院に戻ってくる(搬送する)のです。差はありますが、大きな差ではありません。
またアメリカ、MDAndersonのレポートでは、
200人の患者を調査し、救急外来の受診を避けられたと検証した患者は46人、23%でした。痛みの悪化が一番受診の多い理由でした。意識状態の変化、発熱、出血は救急外来の受診は避けられず、感染、神経学的異常、癌による呼吸困難は救急外来の受診が避けられない患者の診断結果でした。救急外来の受診を避けられたであろう患者は、便秘のための受診、鎮痛薬が不足したため処方を受けるためのでした。
やはり紹介をする側にとっては、30%の患者は紹介しても再入院、救急外来受診をすると考える必要があります。また在宅緩和ケアを提供する側は、便秘と処方不足で病院を受診することはないようにしなくてはなりません。

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