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2011年2月16日 (水)

過ぎ去った時間への郷愁

先日お会いしたある病院の先生。年齢は70歳近くで僕の父親よりも年上でした。それでもとても僕を気に入って下さっていて光栄です。おみやげにヤッシャハイフェッツの全集のCDを頂きました。
その中のメンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトを久しぶりに聴きました。この曲は長く聴くのを封印していました。理由は、この曲を聴くと自分の心が、小さいときに親の愛情に包まれて安心して過ごしていた少年時代に戻ってしまうからです。郷愁で心がグッとつまる。
でも今、自分の体を実家に連れて行っても郷愁は満たされません。当時のアルバムを見ても満たされません。失い過ぎ去った時間への郷愁は自分の心の中だけにずっと膝を抱えているんです。

この曲を聴きながら目をつぶると、当時母親に連れられてあちこちへいった時のこと、普段の買い物や、習い事の送り迎え、バイオリンの先生の所へ行く間の道中。その時に感じていた自分の心や体の感触。そして、空気が心に宿ります。
音楽は私的な自分の思い出を呼び戻してくれます。そしてその思い出は自分以外の誰とも共有できません。思い出と音楽の結びつき誰でも、思い出の一曲があると思います。

決して今が不幸なわけではありません。また両親も健在です。過ぎ去った時間への郷愁。今を過ごす自分は興味関心を必ず音楽と共に過ごしています。その音楽を聴けば、いつでもその時の自分に戻れるのではないかという憧れを感じながら、今日も何かを聴きながら過ごしています。

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