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2010年8月15日 (日)

自分を考える

時々ふと色んな事が思い浮かぶのではなく、自分の場合は絶えず何かを考えていてそしてぼんやり考えていることに言葉が降ってくることがあります。今の自分が何で緩和ケア、ホスピスに関する仕事をしているのか整理できました。書き留めておくことにします。

時々人から、「忙しそうですね」、「大変そうですね」と言われますが、本人は全く思っていません。夜さえきちんと眠れれば一日の大半は楽しんでいます。仕事は感動の連続、出会いの感謝、学会の仕事は与えられたチャンスへの挑戦、論文書きは知的なレジャー、原稿執筆は天から頂いたメッセージです。

とにかく睡眠できないとすぐにダメになります。当直とか、夜間のオペとか本当にダメで、全く頭が動かなくなり、次の日の朝はぼーっとしています。意味のないことで笑ったり。全く能力を発揮できなくなります。家に帰ると怒りっぽくなります。そんな自分がイヤで、脳外科医をまずやめました。

高校生の時から瞬発力はあるのですが、持久力は全くありませんでした。そういう自分に合う仕事を探さなくてはと本当に悩みました。意外にも今の緩和医療、ホスピスの分野は自分のそんな特性にはとっても合っているようです。また「他人に親切にする」そのことだけに純粋になれるのが自分にとってよい。

「悩むのが趣味」、「わざわざ簡単なことを難しく考える」、「頭の構造が意味不明」、「それでいいのか?っていつも問われている気がする」と言われ続けてきました。こうなったら「悩み続けて、わざわざ難しく考える」道を貫こうそう思ったら今の道に。本当に適職のようです。

脳外科の内科、内科もほぼ全ての分野を網羅し気がついたのは、「手術好き」ではなく、「道具好き」でもなく、「病気好き」でもなく、「政治好き」でもない。また「大学好き」でもなく、「外国好き」でもない。「人が好き」ということでした。なので、ホスピス・緩和ケアの分野が適職と気がつく。

なので、「どんな薬」とか「どんな道具」とか「どんな処置」とか「どんな手段」とか議論することは出来ますが、ほとんど関心はないんです。知識と関心は全く違う。「なぜその薬、処置、手段を選んだのか」という、医師、患者、家族全ての「人」に強い関心があるだけなのです。

医者が自分にとって適職なのか、転職なのか、前世からの影響なのかわかりませんが、こういう感動を共有して、考え続けることが出来て、悩み続けることが出来て、また思想を一カ所に留めず広げていける。そして、家族の生活を支えられるのは本当にありがたいです。

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