2019年7月 5日 (金)

がんの患者さんに、『民間療法を受けたいのですがどう思いますか』と聞かれたとき、どう答えたら良いのか

 診療中の患者に、民間療法について意見を求められると、どう答えたら良いのかわからず、戸惑いを覚えるのは誰しも経験していることと思います。民間療法はCAM (complementary and alternative medicine)と称され、ある調査では11-95%の患者が民間療法を自分自身で取り入れていますが、半分の患者は、医師にCAMの事を話せないと報告されています[1]。 医師に話せない理...

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息子の気持ちを飲んでいます(がん患者の民間療法について コラム)

私が、大学を卒業する前、医学部のある宿題で、自分で自由に選んだ病院の見学をしてくることという課題がありました。 たまたま週刊誌で見かけた「みるみる癌が消える!奇跡の病院」のようなタイトルの記事がありました。数人のグループでその怪しい記事を読み、こういう病院は一体どういうところなんだろうと、半ばインチキを見抜く好奇心で胸をふくらませながら、直接病院に連絡し「見学をしたい」と申し込みました。これから医...

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2019年6月27日 (木)

先約優先

我が家の家訓として、「先にした約束を何があっても優先する」があります。これを守らないと、人として信用されなくなります。 僕も仕事>家族の序列はなく、先にした約束を優先していました。なので、家族の予定が入っているところに、勤務先や、学会、講演が入っても直ぐに断ります。検討もしません。 義理のある相手にも「申し訳ございませんが、先約がございます」と直ぐに断ります。 一番やってはならないのは、「一...

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2019年6月 4日 (火)

新しい言葉を探し続けて

しばらく、原稿やブログの更新が最近ままならない。 いつもはジョギングをしたり、仕事中に車で走っていると何らかの考えの断片を自分のうちに発見し、その時は「ああ、もしかしたら大発見をしたのかも」と一瞬思うのですが、その次に文章に起こしてみようとと頭の中で、最初の一行目を連想しているうちに、「ああ、これはいつもの話の言い換えだ」とがっかりしてしまうのです。 同じように、この数週間の間にもあちこちで講演を...

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2019年4月21日 (日)

言わなくてよい一言と後悔

何年も鎮静と緩和ケアに関わっていても、現場に立たされたときのプレッシャーは大きい。最近もつい家族に言わなくて良いことを言ってしまった。「もう苦しんでいないですよ」「薬で何とかなるものではありません」でも本人はともかく見ている家族には苦しそうな最期の数時間だった。 つい言わなくて良いことを言ってしまったあと、「わかりました、私のできるやり方で何とかします。覚悟を決めて何とかします」と答えて、睡眠薬の...

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2019年3月30日 (土)

コンフォートセットは誰のため? 不適切な薬物使用を止めるために

この数年、時々頼まれる原稿です。こちらにも再録しておきます。 苦痛緩和に対する臨時投与薬(コンフォートセット)を予め処方しておき、家族や看護師に使用する状況を明確に指示しておく(表)。また処方をしておくことで、医師に対する緊急時の電話連絡にも対処しやすい。コンフォートセットを処方しておかないと、結局は、医師が現場に到着するまで患者と家族は苦痛を体験することになる。また時間外により処方薬がすぐに手に...

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2019年2月26日 (火)

But being (居続けること)なんてできない

ホスピス、緩和ケアにはよく知られた言葉がある。 Not doing, but being. 「行動するのではなく、存在すること」これでは意味がわからないので、超訳すると、このような意味だろう。「何もすることができなくとも側に寄り添え」「治療や処置といった何かをすることよりも、側にいてケアすること寄り添うことが大切ですよ」 しかし、以前からこのような言葉は至言であり、いわば人生をかけて到達...

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2019年2月 3日 (日)

「一旦医療者はアドバンスケアプラニングをストップせよ」 医療者は弱者の切り捨てを始めているのではないか

非常勤勤務先の病院で、新しい日本語に触れた。 「ACPしてきた」 ACPとは、advance care planningのこと。何の話しだろうと思ったら、どうやら医者が患者に「この先どう生きるか」を聞くことをこう呼ぶみたいだ。患者自身が死にたい場所について話し合うことをこのように言うらしいと言うことが分かった。 「人生会議」 また新しい日本語に触れた。ACPは英語でわか...

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2018年12月14日 (金)

「死にたい」現場で向き合う

私は、神戸のホスピスで10年勤務し、その後開業して在宅緩和ケアに専念すること6年。この16年間、主にがん患者の緩和ケアを中心に活動してきた。ホスピスでは年150人を超える末期癌患者の、そして開業してからは年間50人前後の患者の、最期の時間に関わってきた。医師になって20年が経とうとしているが、2000人を超える患者の死に関わった。私にとって人の死は日常の事となっている。そして、ホスピスで働きたいと...

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2018年11月 6日 (火)

人の多様性に医療で応えるために

久しぶりに東京を歩いていると、人の多様性について思いを新たにします。神戸の風景と変わらないチェーン店、見慣れたロゴと看板も目につきますが、どの街角にも小さな店が軒を連ねています。その一つ一つの店にはそれなりに客がつき、それぞれの時間を過ごしています。 色んなものを売る色んな店、ついさっきも目に入ったのは、「輸入テーブルクロス」の店でした。客はいませんでしたが、私の想像できないような小さなマーケッ...

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