2019年6月 4日 (火)

新しい言葉を探し続けて

しばらく、原稿やブログの更新が最近ままならない。 いつもはジョギングをしたり、仕事中に車で走っていると何らかの考えの断片を自分のうちに発見し、その時は「ああ、もしかしたら大発見をしたのかも」と一瞬思うのですが、その次に文章に起こしてみようとと頭の中で、最初の一行目を連想しているうちに、「ああ、これはいつもの話の言い換えだ」とがっかりしてしまうのです。 同じように、この数週間の間にもあちこちで講演を...

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2019年4月21日 (日)

言わなくてよい一言と後悔

何年も鎮静と緩和ケアに関わっていても、現場に立たされたときのプレッシャーは大きい。最近もつい家族に言わなくて良いことを言ってしまった。「もう苦しんでいないですよ」「薬で何とかなるものではありません」でも本人はともかく見ている家族には苦しそうな最期の数時間だった。 つい言わなくて良いことを言ってしまったあと、「わかりました、私のできるやり方で何とかします。覚悟を決めて何とかします」と答えて、睡眠薬の...

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2019年3月30日 (土)

コンフォートセットは誰のため? 不適切な薬物使用を止めるために

この数年、時々頼まれる原稿です。こちらにも再録しておきます。 苦痛緩和に対する臨時投与薬(コンフォートセット)を予め処方しておき、家族や看護師に使用する状況を明確に指示しておく(表)。また処方をしておくことで、医師に対する緊急時の電話連絡にも対処しやすい。コンフォートセットを処方しておかないと、結局は、医師が現場に到着するまで患者と家族は苦痛を体験することになる。また時間外により処方薬がすぐに手に...

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2019年2月26日 (火)

But being (居続けること)なんてできない

ホスピス、緩和ケアにはよく知られた言葉がある。 Not doing, but being. 「行動するのではなく、存在すること」これでは意味がわからないので、超訳すると、このような意味だろう。「何もすることができなくとも側に寄り添え」「治療や処置といった何かをすることよりも、側にいてケアすること寄り添うことが大切ですよ」 しかし、以前からこのような言葉は至言であり、いわば人生をかけて到達...

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2019年2月 3日 (日)

「一旦医療者はアドバンスケアプラニングをストップせよ」 医療者は弱者の切り捨てを始めているのではないか

非常勤勤務先の病院で、新しい日本語に触れた。 「ACPしてきた」 ACPとは、advance care planningのこと。何の話しだろうと思ったら、どうやら医者が患者に「この先どう生きるか」を聞くことをこう呼ぶみたいだ。患者自身が死にたい場所について話し合うことをこのように言うらしいと言うことが分かった。 「人生会議」 また新しい日本語に触れた。ACPは英語でわか...

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2018年12月14日 (金)

「死にたい」現場で向き合う

私は、神戸のホスピスで10年勤務し、その後開業して在宅緩和ケアに専念すること6年。この16年間、主にがん患者の緩和ケアを中心に活動してきた。ホスピスでは年150人を超える末期癌患者の、そして開業してからは年間50人前後の患者の、最期の時間に関わってきた。医師になって20年が経とうとしているが、2000人を超える患者の死に関わった。私にとって人の死は日常の事となっている。そして、ホスピスで働きたいと...

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2018年11月 6日 (火)

人の多様性に医療で応えるために

久しぶりに東京を歩いていると、人の多様性について思いを新たにします。神戸の風景と変わらないチェーン店、見慣れたロゴと看板も目につきますが、どの街角にも小さな店が軒を連ねています。その一つ一つの店にはそれなりに客がつき、それぞれの時間を過ごしています。 色んなものを売る色んな店、ついさっきも目に入ったのは、「輸入テーブルクロス」の店でした。客はいませんでしたが、私の想像できないような小さなマーケッ...

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2018年6月19日 (火)

達成感を感じた人、これから感じる人へ

恒例の緩和医療学会に参加しました。自分の動向も含めて感じたことを。 最近自分の年齢を重ねてきたためか、「若い人達を育てて」という考えを持ったり話したりすることが増えてきた。自分の経験も含めて、幾つか今思っていることを書き残しておこうと思います。 1. 「若い人達」はポストを与えればあとは、勝手に育つ。 いつも自分も含め先達は、プロジェクトを任されそして達成する。その達成感をまた誰かとシェアし...

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2018年6月15日 (金)

がん患者の自殺について

日本人が、がんと診断され最初の1年は、自殺のリスクがかなり高まる(23.9倍)ことが分かっています。(引用) 私自身が体験した、自殺した患者についてBuzzFeed Japanに寄稿しました。患者の自殺は、残された人たちの心を壊す 心や感情までも乗っ取ってしまうがん (この話に登場する人物にモデルはいますが、仮名を使うなどご本人とわからないように詳細は変えて書いています) 「きゃー...

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2018年6月14日 (木)

死亡診断書(自分で印刷したもの)の扱いについて

最近、自分の勤務地の役所より、電子カルテから印刷した死亡診断書について、色々と指導を受けました。その内容は全て根拠のないものであることが分かり、文書でやり取りをし、最終的には当方の意見を役所に受け容れて頂きました。他地域、他職場でも様々な誤った運用もあると聞き及んでおり、記録として残します。 まず大原則として、「死亡診断書は、PCで出力してよい。手書きでなくても良い」ことを法務省、厚生労働省より...

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