2021年10月22日 (金)

医者が諦めたら患者はもう終わり

僕が長く診療している、精神疾患の方がこの1年食事を拒否するようになった。介護している方々が食事を口に運んでも、吐き出したり、食器をひっくり返したりを繰り返していた。僕は勝手に「もう生きることを拒否しているのだから仕方がない」と困る介護者を慰めた。時には諦めることを宣言すること、これが僕の仕事だと思っているからだ。しかし、僕の話を話半分で聞きながら、介護者の方々はその方の言葉では言えない小さなヒント...

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2021年10月17日 (日)

「あるはずのものがない」ことが分かる力とは。「未来のきみを変える読書術」(苫野一徳, 筑摩書房, 2021) を読んで。

苫野 一徳 先生が、書かれたちくまQブックス、「未来のきみを変える読書術」を読みました。 ここに書かれている読書の仕方とほぼ同じやり方を僕も続けています。まず一度本を読みます。止まることなく読み切ります。そして、2回目にざっと読んで記憶に残っているところ、付箋紙をつけたところを、将来引用するために書き出していきます。僕は、毎日日記をつけているのですが、MacのDay Oneというアプリでまと...

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人を仕事に駆り立てるもの。仕事の原動力とは何か。

先日、ビデオ講演会で同僚の講演を聞きました。 彼とは年も近く、長い付き合いで、地元でクリニックの運営をしている者同士です。 2002年に神戸に来てからしばらくは、勤務先の病院の給与では、節制しないと家族全員を十分に養えないため、職場には黙ってこっそりアルバイトの当直に行っていました。まだ僕が30代元気だった頃です。 そこの病院で彼は働いていました。 僕は、所属していた大学医局と赴任先にあ...

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2021年9月19日 (日)

コロナが収まったら・・・「ニヒリズム緊急事態宣言」

僕は最近精神科や緩和ケアの領域でよく言われている「ネガティブケイパビリティ」(事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力)を知っていても良いと思うのですが、自分の仕事に採用することを否定しています。医療に関わるなら何か役に立つことを考え続けなくてはなりません。 「どうせ何をしてもどうにもならない、だから最初から『ネガティブケイパビリティ』耐える力を蓄える」というこの考えは...

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2021年7月 4日 (日)

新型コロナワクチンの接種を続ける私が皆さんに望むこと

神戸市でも個別接種(開業医がワクチンをかかりつけの患者や関係者に接種する)が7月、今月中で一旦終わらざるを得ない状況となってきました。 僕は、自分の受け持っている患者とその家族、施設なら関係者を、接種券や住所全く無視して、「臨床的に必要な方」に5月から接種してきました。事務手続きや、自治体の指示に従うやり方では、現場の人達を守れないからです。 ここまで焦る気持ちになったのは、何度もここに書いた...

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2021年5月 9日 (日)

新型コロナウイルスの嵐の中で 2021年5月の近況

2020年の年末に、新型コロナウイルス感染の患者の診察をするようになりました。自宅でそのまま亡くなる方、回復していく方を時々診察する程度でした。 しかし、この2021年の4月下旬からは、どの病院、診療所からも診察を拒否された患者が現れるようになり、保健所から直接自分の携帯電話に連絡できるようにしました。するとほぼ毎日のように、連絡が来るようになりました。 既にPCR検査で、新型コロナウイ...

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2021年3月22日 (月)

介護保険施設の職員の離職問題を解決するには

同僚の医師から、介護保険施設の職員の離職問題についてどう考えたらよいかという相談を受けました。 私は、1)賃金、2)労働時間、そして3)ファクターXと答えました。経営者は、金と時間の話しにして何とか物事を解決しようとしますが、このファクターXが一番重要です。 生き甲斐、やりがいといったことなのですが、仕事を通じて幸福になりたい、自分が成長したい、他人の幸福に関わりたいというのがファクター...

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2021年2月18日 (木)

「もやもやちゃん」を超えて Beyond the moyamoya.

もやもやちゃんとは、僕が医学書院、訪問看護と介護 2021年1月号に寄稿した「もやもやちゃん」という物語です。 もやもやちゃんは、多くの病院が行っている面会制限に心を痛めています。患者と家族を交流させないまま、死という永遠の別れを迎えていることに悩み、医学では答えが探せないまま、いろんな専門分野、法学、哲学、倫理、宗教の専門家と交流し自分にできることを探します。しかし、その思いも叶わないまま、日々...

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2021年2月 7日 (日)

安楽死に関するシンポジウムにて驚いたこと、分かったこと

今日は神戸でリアルで対面の講演会に参加した。安楽死をテーマとして作家の先生が講演された。その中で、今こうしている間にも安楽死を本気で望む人がいるのに、いつまでもぐずぐずと議論するなと言われていた。「苦しみの真っ只中にある患者にとって、法制化するかどうかの議論なんて意味がない」「それは火事の中にいて救助の必要な人がいるのに、消防車の作り方を議論しているようなものだ」と発言していた。また聴衆の中の複数...

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2021年2月 2日 (火)

新型コロナウイルス患者の自宅や施設での看取り

最近、神戸市でも新型コロナウイルス感染症の患者の自宅待機期間が長くなりました。私は毎日、がん終末期や、高齢の脆弱な患者の在宅療養を診療しています。ついに、本人、家族の求めに応じて、病院に入院させずに、新型コロナウイルス感染の陽性者の死亡をそのまま自宅で診療せざるを得ない状況になりました。 予後2週間未満と分かっている患者を、どの病院に搬送したら良いのか、それは保健所の考えることですが、もう自分で最...

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«2021年1月の鬱日記