2017年11月 9日 (木)

VSED (自発的に飲食を止めること)で死期を早める患者について

皆さんはVSEDという単語を知っていますか? VSEDとは、Voluntarily stopping eating and drinkingの略で、自分で飲食を止めることで、患者自身が死期を早めるための方法です。安楽死や医師による自殺幇助の代替方法として海外では知られています。 実際に日本の医師(緩和ケアと在宅医療の専門医)がどの位このような患者を経験しているのか、私たちは2016年初めての調査を...

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2017年9月16日 (土)

誰もが「多面」人格であるように

(この文章に書かれている人物にモデルはありますが、私の心の中に居る方です。) 今日の診察中にある方から問われました。「私は、もう色んな事を諦めて、死を受け容れなくてはならないのでしょうか。」私はしばらくどう答えたら良いか分からず、黙っていました。 その方は、まだ若い女性です。子宮にできた癌が肝臓に転移し抗がん剤の治療を受けていました。抗がん剤の治療を受けている病院から促され、私の医院に来るようにな...

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2017年9月 4日 (月)

今どきの緩和ケア、在宅医療 後編 「今在宅医療はどうなっているか」

最近の在宅医療   後半は在宅医療が最近どれくらい変わってきたかですが、省庁の調査で、病気になっていない一般市民のうち、自宅で亡くなりたいと思っている人は半分くらいでした。本当に病気になってしまった人に聞くと、本当に自宅で最期まで過ごしたいというがん患者は大体3割。実際に自宅で亡くなることができたがん患者は7.8%です。なぜこれ程の開きがあるのか、今の在宅医療の一番の問題です。 日本で行...

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今どきの緩和ケア、在宅医療 中編 「最近の緩和ケアの流れ」

そして開業へ こういう患者のつらい体験を知り、それなら、相手の家で自分が診察し、あらゆる診察を全て引き受けるのが、一番良いと思いました。そして、開業を決意しました。66平米ほどの小さいテナントを借り、主にがん患者たちのための外来診療と訪問診療(往診)を、始めました。往診車も緊急自動車に改造し公安委員会の認可を受けました。この緊急自動車、ホスピスカーについての詳しくは今年(2017年)金原出版から出...

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今どきの緩和ケア、在宅医療 前編 「ホスピスを目指して」

今日はお招きくださり、ありがとうございます。緩和ケア、在宅医療はこの5年くらいで相当な変化を迎えております。今どきの以前の在宅医療とは相当異なるものになっておりまして、今、どう変化しているかを少しでもお伝えできたらと思います。 私の医師としての道のり   私は現在神戸市北区で開業しています。医師になったのは1996年で、医学部を卒業してすぐに脳外科医になりました。当時は、大学を卒業すると...

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2017年8月 8日 (火)

夏の夜の夢と苦しみ。不眠の私が、不眠を考える。

今年も夏が暑い。暑さに弱い私は、昨年から不眠(夜中に何度も目が醒める)にもなり、さらに弱々しくなってしまった。夜中に目が醒めると、次に眠るきっかけを作るためなのかついついトイレに行き用をたす。なるほど私が診察して来た人達も、夜にトイレに何度も行くのはこう言う理由だったのかと、身をもって知るようになった。いや、私はただ夏の暑さに弱いだけで、決して前立腺が変化したわけではない、そう自分に言い聞かせなが...

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2017年6月27日 (火)

病室の問題集。勉強するのは何のため?

僕には、今でもずっと忘れられないエピソードがあります。 医者になってからも、何かの機会にふと思い出しては、「彼」の行動とその意味を考えてきました。まだ自分の心の中で、どこに整理ししまっておいたら良いのか分からないエピソードなのです。心のフックに、未整理のまま取り残され続けているのです。そろそろ、自分の中でどこかに整理したい、整理できるのではないかと思い、そのエピソードを書いてみようと思いました。 ...

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個人の信念を越えて、 鎮静を巡る議論をするために

以前に書いた書評ですが、こちらにも再録します。今までも今も共にこの問題に一緒に取り組み、また私にとってとても大切な指導者です。 世の中に、根拠の乏しい経験のみで語られる鎮静の議論、書籍を憂いて書かれた本だと、著者をよく知る私は思っています。「オレはこう思う」の些末な議論を退ける、多面的な考察を展開しています。 終末期の苦痛がなくならない時、何が選択できるのか? 苦痛緩和のための鎮静〔セデーション〕...

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2017年6月19日 (月)

「がんと命の道しるべ」出版のお知らせ

本ブログ、ヨミドクター、青海社「緩和ケア」の原稿を集め、再編集、加筆した本が発刊されます。 「がんと命の道しるべ」 余命宣告の向こう側 Amazonリンク 日本評論社より、7月30日に発売予定です。一般の方に読んで頂けるよう、内容は専門的にならないように書き換えています。 最近SNSの書き込みも、ブログの更新も今ひとつでした。実はこの本にかかりっきりでした。何度もゲラを読み返し、文章のリズムを整え...

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2017年4月19日 (水)

癌による黄疸の治療とエビデンス。医師に影響するバイアス。

診療している個々の患者に最適な治療を選ぶこと、これは本当に難しいことだと思います。決断する時間は少なく、答えを迫られます。 そのために、白(出来ることは全て治療する)、黒(何もかも治療しない)と短絡的な治療方針になりやすいことも医師にとっては宿命的なことなのです。 毎週勤務している病院でも、なかなか個別に治療を選ぶことが出来ない現実を垣間見ます。かつて私は胃瘻に関しての考えを書いたことがありますが...

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«患者は、以前の医師を覚えているのか? 医師の言葉に傷つく患者、家族たち。 後編